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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻7号

2004年07月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (5) 原著

投影図からトレパンの位置と大きさを算出し良好な視力を得た自己角膜回転移植の1例

著者: 足羽孝治1 目加田篤1 長船嘉子1 中室隆子1

所属機関: 1滋賀医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1171 - P.1175

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 48歳男性の左眼に木片があたり,角膜中央部から周辺2方向に向かう裂傷が生じた。受傷の当日に裂傷を縫合したが,瞳孔領に角膜混濁が残った。7か月後の視力は0.2であり,自己角膜回転移植を企画した。瞳孔領に広い透明領域を得るために,前眼部写真から移植片の部位を選んだ。同様な方法に加えて縫合糸の幅を考慮し,角膜トレパンの直径を7.5mmに決定した。手術により角膜白斑は周辺部に移動し,透明な光学部が瞳孔領に確保できた。裸眼視力は2年後に1.0になり,以後3年間良好な視力を維持している。今回の方法は,自己角膜回転移植で有効な視機能を得るために有用であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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