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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻7号

2004年07月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (5) 原著

8歳女児のpit macular syndromeにおける視力変化とOCT所見

著者: 鬼怒川次郎1 志村雅彦1 玉井信1

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科眼科学

ページ範囲:P.1199 - P.1203

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 8歳女児が3週間前からの左眼視力低下で受診した。7か月前の健康診断では,左右眼とも1.0の矯正視力があった。受診時の矯正視力は右1.2,左0.2であり,左眼に黄斑を中心とする漿液性網膜剝離と,乳頭に乳頭孔(pit)があった。蛍光眼底造影では,pitの部位に初期から後期にかけて過蛍光があり,網膜剝離の部位には色素貯留があった。光干渉断層計(OCT-3)で,網膜外層の網膜分離,中心窩の囊胞形成,700μmを超える漿液性網膜剝離があった。Pit-macular症候群と診断した。家族の希望で治療は行わなかった。6か月後に視力は0.5に改善し,OCTで網膜剝離と中心窩囊胞の残存と網膜分離の改善が認められた。OCTは非侵襲的であり,小児でも網膜の構造を検索することができ,本症候群では視力と関係がある網膜分離の所見を捉えることができた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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