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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻7号

2004年07月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (5) 原著

眼内レンズ毛様溝縫着術7年後の遅発性眼内炎の1例

著者: 北澤憲孝1 藤澤昇1

所属機関: 1篠ノ井総合病院眼科

ページ範囲:P.1231 - P.1233

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 85歳女性が右眼の眼痛と視力低下で緊急に受診した。22年前に白内障全摘術が行われ,7年前に毛様溝縫着による眼内レンズの2次挿入を受けていた。受診の5か月前の定期診察で1.2の矯正視力があった。緊急受診時には前房蓄膿を伴う眼内炎があり,遅発性であるにもかかわらず,自覚所見,多覚所見ともに急性術後眼内炎と同様な経過をとった。硝子体の培養で,インフルエンザ菌が分離された。感染の原因は,7年前の眼内レンズの2次挿入で使用し,8時の角膜輪部から1.5mm後方に通した10-0ポリプロピレン糸の断端が球結膜から露出していたためであると判断した。結膜上にポリプロピレン糸が露出しているときには,これを早期にレーザーで処理して断端を短くし,結膜で被覆されるような処置が望ましい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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