文献詳細
特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (5)
原著
文献概要
49歳男性が5か月前からの左眼中心暗点で受診した。水平眼振,右-15D,左-11Dの近視があり,矯正視力は右0.08,左0.07であった。毛髪は白金色,虹彩は灰青色で,全身皮膚が淡紅白を呈し,眼皮膚白子症であった。左眼には後部ぶどう腫があり,出血を伴う1乳頭径大の脈絡膜新生血管が中心窩にあった。フルオレセイン蛍光造影で,新生血管は初期から過蛍光を呈し,網膜血管と脈絡膜大血管は見かけ上の低蛍光を示した。インドシアニングリーン造影で,新生血管は造影早期から後期にかけて境界明瞭な過蛍光を呈した。以後,新生血管は自然寛解の傾向を示した。初診から1年後,後部硝子体剝離に伴う裂孔原性網膜剝離が発症し,強膜内陥術を行った。その3か月後に新生血管は拡大し,黄斑出血が増強した。白子症に脈絡膜新生血管が発症した例は知られていない。本症は強度近視に続発したFuchs斑であると解釈した。
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