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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻7号

2004年07月発行

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (5)

原著

硝子体腔注入シリコーンオイルの前房内への脱出をきたした症例の検討

著者: 谷口亮1 吉田牧子1 木下博文1 宮村紀毅1 北岡隆1 雨宮次生1

所属機関: 1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科眼科・視覚科学

ページ範囲:P.1273 - P.1275

文献概要

 過去7年間にシリコーンオイル注入を併用した硝子体手術131眼を検討した。平均13か月間の術後観察で,前房へのシリコーンオイル脱出が39眼(29.8%)あった。原疾患は,裂孔原性網膜剝離17眼,増殖糖尿病網膜症9眼,加齢黄斑変性5眼,黄斑円孔網膜剝離2眼,穿孔性眼外傷2眼,その他4眼である。術後合併症は,シリコーンオイル脱出がある39眼では89.7%,脱出がない92眼では63.0%にあり,有意差があった(p=0.01)。続発性緑内障は脱出がある39眼では33.3%,脱出がない92眼では13.0%に生じ,有意差があった(p=0.03)。硝子体手術でシリコーンオイルタンポナーデを行うときには,前房と硝子体腔との交通を作らないことが望ましい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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