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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻7号

2004年07月発行

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (5)

原著

黄斑下に迷入した眼内鉄片異物の1例

著者: 牛嶋美和1 春藤真一郎2 林一3 松原令4

所属機関: 1兵庫県立加古川病院眼科 2新日鐵広畑病院眼科 3兵庫県立柏原病院眼科 4神戸大学大学院医学系研究科器官治療医学眼科学

ページ範囲:P.1291 - P.1293

文献概要

 52歳男性が草刈り機を操作中に,右眼に異物が飛入した。受傷当日の所見として,右眼視力は光覚弁で,角膜中央部に穿孔創があった。前房出血と硝子体出血のために眼底は透見不能であった。画像診断で眼内異物が同定された。硝子体手術と水晶体摘出術を行い,細長い異物が耳側上方の網膜経由で黄斑下に迷入していた。網膜裂孔の縁が不整で,その周囲に網膜下血腫があるため,裂孔経由での異物摘出は行わなかった。異物が大きいので硝子体鑷子では保持できなかった。黄斑部網膜の二次的損傷を避けるため,耳側下方の網膜に意図的に作った裂孔を経由し,眼内マグネットで異物を摘出した。異物は5×1.5×2mmの鉄片であった。眼内異物で網膜下に異物が迷入しているとき,眼内マグネットの操作は慎重に行う必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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