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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻7号

2004年07月発行

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (5)

原著

内境界膜下血腫を伴ったTerson症候群の1例

著者: 鎌田研太郎1 阿川哲也1 三浦雅博1 尾﨏雅博1 臼井正彦2

所属機関: 1東京医科大学霞ヶ浦病院眼科 2東京医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1313 - P.1317

文献概要

 43歳男性に左後下小脳動脈瘤破裂によるクモ膜下出血が発症し,クリッピング術が即日行われた。経過は良好であった。手術の翌日に両眼に硝子体出血が発見され,その5週後に当科を受診した。視力は右0.1,左手動弁であり,Terson症候群と診断した。発症から2か月後に両眼に硝子体手術を行った。左眼には陳旧性の内境界膜下血腫があり,右眼には網膜前に黄白色沈殿物があった。術後経過は良好で,左右とも1.2の最終視力を得た。Terson症候群では硝子体出血だけでなく内境界膜下に出血することがあり,これが長期化すると黄斑前膜の形成や血液分解産物による網膜機能障害が起こる可能性があるので,早期手術が望まれる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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