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連載 日常みる角膜疾患17
Avellino角膜ジストロフィ
著者: 森重直行1 山田直之1 西田輝夫1
所属機関: 1山口大学医学部分子感知医科学講座(眼科学)
ページ範囲:P.1388 - P.1392
文献購入ページに移動53歳女性。幼少時より両眼の角膜疾患を指摘されていた。学童期の視力は右0.7程度,左0.3程度であった。最近徐々に視力低下をきたしてきたため,精査および加療目的で当科を受診した。両親はいとこ婚で,両親・兄弟が角膜疾患を指摘されていた。母親が角膜移植を受けている。
初診時,視力は右0.3(0.4),左0.01(0.03),眼圧は右20mmHg,左21mmHgであった。角膜知覚は右50mm,左60mm(Cochet-Bonnet角膜知覚計)で両眼とも正常範囲内,Schirmer試験では両眼とも35mmで涙液分泌機能にも異常はみられなかった。両眼の角膜中央部を中心に,上皮下に灰白色の沈着物を認めた(図1)。角膜沈着物は癒合していたが,角膜輪部にまでは混濁は至っていなかった。眼底は角膜混濁のため透見困難であった。
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