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特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (6) 原著
後発白内障に対するYAGレーザー切開後の後囊線維性再混濁
著者: 坂上欧1
所属機関: 1大阪赤十字病院眼科
ページ範囲:P.1415 - P.1417
文献購入ページに移動 網膜色素変性症の既往がある71歳男性が両眼の視力低下で受診した。矯正視力は右手動弁,左0.3であった。網膜電図は記録不能で,求心性視野狭窄があったが,中心視野は右10°,左5°は保たれていた。白内障があり,両眼に超音波破砕吸引術と眼内レンズ挿入術を行った。術後視力は右0.15,左0.7に改善した。2か月後に前囊収縮が起こり,視力は右手動弁,左0.06に低下した。YAGレーザーによる前囊切開術を行い,視力は右0.2,左0.6に改善した。白内障手術から2年後に後囊の線維性後発白内障が両眼に発症した。YAGレーザーによる後囊切開術で十字形の切開窓を作製したが,その10か月後に線維性混濁が左眼後囊に発生していた。再度のレーザー切開術にもかかわらず線維性の後囊混濁が再発したのは,網膜色素変性症で好発する前囊収縮と似た要因が関与している可能性がある。
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