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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻8号

2004年08月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (6) 原著

糖尿病網膜症と血小板由来マイクロパーティクル

著者: 緒方奈保子1 今泉正仁12 宮代美樹12 生水晃3 野村昌作4 松村美代1

所属機関: 1関西医科大学眼科 2大阪済生会泉尾病院眼科 3大阪済生会泉尾病院内科 4関西医科大学第一内科

ページ範囲:P.1441 - P.1444

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 血小板由来マイクロパーティクル(platelet-derived microparticles:PMPs)は活性化された血小板から放出され,凝固反応と細胞接着を促進し,毛細血管閉塞の原因になる。PMPsが糖尿病網膜症に関与している可能性を検索するため,2型糖尿病患者92例についてPMPsを測定した。内訳は,網膜症なし25例,単純網膜症13例,前増殖網膜症25例,増殖網膜症29例である。PMPsの平均値は507±15/104pltであり,200~350/104pltとされている基準範囲より,著明に増加していた。PMPs値と網膜症の程度との間には有意な相関がなかった。PMPs値は,血管床閉塞がある24眼では平均582±27/104pltであり,閉塞がない30眼での426±23/104pltよりも有意に増加していた。糖尿病ではPMPsが増加し,さらにPMPsが糖尿病網膜症の進行に関与している可能性があると結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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