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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻8号

2004年08月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (6) 原著

C型慢性肝炎のインターフェロン治療に合併する網膜症とその背景因子

著者: 中島理幾1 大木隆太郎1 米谷新1 河口康典2 持田智2 藤原研司2

所属機関: 1埼玉医科大学眼科学教室 2埼玉医科大学第三内科

ページ範囲:P.1445 - P.1448

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 インターフェロン網膜症が発症する危険因子を同定する目的で,慢性C型肝炎44症例につき,前向き研究を行った。全例が抗ウイルス薬であるインターフェロンβ治療を受けていた。男性30例,女性14例で,年齢は21~72歳(平均54歳)であった。治療開始前に眼底に異常がないことを確認し,以後2~4週ごとに散瞳して眼底検査を行った。33~352日(平均155日)の観察期間中に,30例(68%)に網膜中心静脈閉塞症2例を含む網膜症が生じた。発症群と非発症群間のχ2検定で,年齢(p=0.0023),治療前アルブミン値(p=0.0379),治療中のアルブミン最低値(p=0.0067)が網膜症の発症と有意な相関があった。多変量解析から,治療中のアルブミン最低値(p=0.0105)と性別(男性>女性,p=0.0385)が網膜症の発症と有意に相関した。解析の共通の結果として,治療中のアルブミン最低値が網膜症の発症と有意に相関した。年齢,体重,肥満指数,肝機能,血小板数,ウイルス型は網膜症の発症と相関しなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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