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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻8号

2004年08月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (6) 原著

眼虚血症候群による血管新生緑内障の検討

著者: 樋口亮太郎1 遠藤要子2 岩田慎子2 杉田美由紀3 水木信久2

所属機関: 1横浜南共済病院眼科 2横浜市立大学医学部眼科 3蒔田眼科クリニック

ページ範囲:P.1457 - P.1461

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 眼虚血症候群による血管新生緑内障6例の臨床像と転帰を検索した。男性5例,女性1例で,年齢は41~80歳(平均70歳)であった。基礎疾患として,高血圧と高脂血症が各5例,糖尿病と脳梗塞が各3例,緑内障が2例にあった。全例で腕-網膜時間が著明に延長していた。全例に汎網膜光凝固と毛様体冷凍術を行い,線維柱帯切除術,ウロキナーゼ大量療法,脳血管バイパス術を各1例に行った。2例で新生血管が消退し,線維柱帯切除術で眼圧が下降した。4例で新生血管が消退せず,うち1例ではバイパス術でも眼循環が改善せず失明に至った。眼虚血症候群による血管新生緑内障は予後不良であり,危険因子がある患者ではその発症の可能性を考えて各種検査を行う必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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