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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻8号

2004年08月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (6) 原著

ドセタキセルによって涙道閉塞をきたした3例

著者: 加藤秀紀1 尾本聡1 久保寛之1 西尾佳晃1 上岡康雄1 北原健二1 小林直2

所属機関: 1東京慈恵会医科大学眼科学講座 2東京慈恵会医科大学臨床腫瘍部

ページ範囲:P.1463 - P.1466

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 抗癌薬ドセタキセルで加療中の3症例に涙点閉鎖または涙小管閉塞が生じた。第1例は61歳男性で,胃癌に対するドセタキセル投与開始から2か月後に右眼の上下涙点と左眼の上涙点の閉鎖が生じた。第2例は54歳女性で,乳癌に対するドセタキセル投与開始から9か月後に両眼の上下涙点の閉鎖が生じた。第3例は61歳女性で,乳癌に対するドセタキセル投与開始から5か月後に右眼下涙点の閉鎖が生じた。涙点切開またはシリコーン管留置を行い,涙小管閉塞がない場合には涙道機能が回復した。ドセタキセルを投与中の患者には涙道閉鎖の可能性があり,早期発見または予防が望ましい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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