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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻8号

2004年08月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (6) 原著

眼窩に発生した末梢性未分化神経外胚葉性腫瘍の1例

著者: 田村千恵1 小島孚允1 原岳2 兼子耕3

所属機関: 1さいたま赤十字病院眼科 2自治医科大学病院眼科 3さいたま赤十字病院病理部

ページ範囲:P.1471 - P.1475

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 7歳女児が1か月前からの右眼の眼瞼腫脹で受診した。矯正視力は右0.04,左1.2であった。右眼は耳側方向に突出し,上眼瞼鼻側に腫瘤を触知でき,眼底に乳頭浮腫と血管拡張があった。磁気共鳴画像検査(MRI)で右眼窩の筋円錐上方に腫瘤があった。骨浸潤はなかった。横紋筋肉腫を疑い,腫瘍を全摘出した。腫瘍は40mm×30mm×25mmの大きさで,多結節状で軟らかく,割面は白色,充実性であった。免疫組織化学染色で上皮性,間葉系,神経系のマーカーすべてが陽性であり,未分化な神経原性の悪性腫瘍と診断した。摘出から3週間後に腫瘍が再発した。化学療法と放射線照射で腫瘍は消失し,1.0の矯正視力を得た。摘出組織の再検討から,末梢性未分化神経外胚葉性腫瘍(peripheral primitive neuroectodermal tumor)の診断が確定した。この腫瘍の眼窩原発例の報告は国内にはなく,海外に9論文がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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