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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻8号

2004年08月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (6) 原著

10年後に再発した原田病の1例

著者: 東芝孝彰1 小出健郎1 堀田喜裕1 加藤勝2

所属機関: 1浜松医科大学眼科学教室 2聖隷三方原病院眼科

ページ範囲:P.1505 - P.1508

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 53歳女性が両眼の充血と視力低下で受診した。4週前から頭痛があった。矯正視力は左右眼とも1.2であったが,軽度の遠視があった。両眼に乳頭の発赤,腫脹があり,乳頭から黄斑にかけて漿液性網膜剝離があった。特徴的な蛍光造影所見があり,原田病と診断した。プレドニゾロン大量療法で網膜剝離は消退した。いったん前部ぶどう膜炎が生じたが,初診から1年5か月後に夕焼け眼底を残して治癒した。初診から9年8か月後に左眼視力が低下した。矯正視力は左右眼とも1.2であったが,左眼に乳頭発赤と黄斑部に漿液性網膜剝離があった。原田病の再発と診断した。副腎皮質ステロイド薬のテノン囊下注射で網膜剝離は消失した。全経過を通じて耳鳴と髄液細胞増加はなかった。いったん完治した原田病が約10年後に再発した稀有な例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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