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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻8号

2004年08月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (6) 原著

網膜静脈分枝閉塞症における出血領域の血管走行による新たな分類

著者: 中山智寛1 大西貴子1 孫裕権1 猪原博之1 原吉幸1

所属機関: 1住友病院眼科

ページ範囲:P.1509 - P.1513

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 網膜静脈分枝閉塞症80眼について,静脈が閉塞した動静脈交叉部での動脈と静脈の位置関係により分類し,視力を規定するある法則を発見した。眼底後極部で網膜の動脈枝が静脈枝よりも黄斑側にある眼では,第1分岐部の静脈枝が太い動脈で圧迫されることになる。このような症例では静脈が閉塞した結果としての出血が黄斑にかかることが多く,視力が不良である。80眼中で網膜静脈分枝閉塞症が黄斑内に生じたのは40眼,黄斑外は17眼,黄斑内外に及ぶものが23眼であった。今回の法則に合致したものは,それぞれ35眼(88%),17眼(100%),7眼(30%)であった。この法則は網膜静脈分枝閉塞症での視力予後の判定に有用である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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