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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻8号

2004年08月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (6) 原著

上方弁状裂孔による裂孔原性網膜剝離に対する術後長期滞留性ガスタンポナーデを用いない硝子体手術の成績

著者: 内野裕一1 堀田一樹1

所属機関: 1亀田総合病院眼科

ページ範囲:P.1533 - P.1537

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 眼底上方に弁状裂孔がある網膜剝離に対する硝子体手術と液空気置換の成績を評価した。男性16例,女性9例の合計25例25眼に手術を行った。年齢は46~85歳(平均62歳)である。24眼が有水晶体眼,1眼が偽水晶体眼であった。外傷,黄斑円孔,増殖性硝子体網膜症などを伴う症例は除外した。通常の方法で硝子体手術と液空気置換を行い,眼内光凝固で裂孔を閉鎖した。その結果,初回手術で24眼(96%),複数回手術で25眼(100%)で復位が得られた。術後120~773日(平均295日)の観察期間内に,黄斑前膜1眼,遷延性虹彩炎1眼,裂孔周囲の増殖膜形成1眼以外には格別の合併症はなかった。眼底上方の弁状裂孔を原因とする網膜剝離に対する硝子体手術では,単純な液空気置換が有効であり,必ずしも長期滞留性ガスを必要としない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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