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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻8号

2004年08月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (6) 原著

硝子体手術後の遅発性視野欠損の1例

著者: 古谷達之1 前田利根1 井上洋一1

所属機関: 1オリンピア眼科病院

ページ範囲:P.1539 - P.1541

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 68歳女性が緑内障で受診した。右眼に+2.75D,左眼に+2.5Dの遠視があり,矯正視力は1.0であった。両眼に乳頭陥凹と緑内障性視野欠損があった。両眼が狭隅角であり,レーザー虹彩切開術を行った。その14か月後に左眼の視野が0.2に低下し,黄斑円孔が生じていた。手術は後部硝子体剝離を作製したのち,20%SF6で硝子体内容を置換した。灌流空気は加湿しなかった。術後5日間,顔面を下向きに保ち,円孔は閉鎖した。その16か月後に白内障手術を行い1.0の矯正視力を得た。硝子体手術から26か月後に左眼の耳側下方に視野欠損を自覚し,視野検査でそれが確認された。黄斑円孔への手術後に行った2度の視野検査では視野異常はなかった。硝子体手術の際の空気灌流に続発した晩発性視野障害の可能性がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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