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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻8号

2004年08月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (6) 原著

初期白内障における愁訴と高次波面収差

著者: 高崎恵理子1 伊藤美沙絵2 相澤大輔1 藤澤邦俊1 鈴木雅信1 魚里博2 清水公也1

所属機関: 1北里大学病院眼科 2北里大学医療衛生学部

ページ範囲:P.1543 - P.1547

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 初期白内障における手術希望者の愁訴と高次収差の関係を検討した。初期白内障があり,矯正視力0.8以上の70例95眼を2群に分けた。白内障手術を希望する48眼と希望しない47眼である。平均年齢は,前群68±9歳,後群66±7歳であった。眼球光学系全体と角膜の波面収差を測定し高次収差を比較した。手術希望群に羞明,霧視,複重視,色異常についてアンケート調査を行い,愁訴を強度と弱度の2群に分けて高次収差を比較した。眼球光学系全体の高次収差は,手術希望群0.272μm,非希望群0.201μmであり有意差があった(p<0.001)。羞明と霧視の強度群では,弱度群よりも眼球光学系全体の高次収差が有意に高かった(p<0.01)。初期白内障での高次収差は手術希望の有無と関連し,愁訴を客観的に評価できる可能性がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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