icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻8号

2004年08月発行

文献概要

臨床報告

慢性期の視束管開放術により視野の改善が得られた症例

著者: 鳥居廣明1 藤澤博亮1 坂元健一1 原田克巳1 米田浩1 鈴木倫保1

所属機関: 1山口大学医学部脳神経病態学講座脳神経外科

ページ範囲:P.1567 - P.1571

文献購入ページに移動
 52歳男性が競艇中の事故で左側頭葉を挫傷し,左眼に視力障害が生じた。事故から8か月後に受診した。矯正視力は右1.5,左0.15で,右眼に右上4半盲,左眼に求心性視野狭窄があった。左眼に視神経萎縮があった。画像検査で,左眼窩上骨折,左頰骨弓骨折,左側頭葉に挫傷による変化があった。視神経管骨折の所見はなかった。左視束管開放術を行い,左眼視力に変化がなかったが,視野が顕著に改善した。視束管開放術は受傷から2週間以内が適応とされているが,本症例のようにある程度の視力と視野狭窄がある場合には,慢性期であっても奏効することがある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?