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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻8号

2004年08月発行

文献概要

臨床報告

高度の漿液性網膜剝離を合併した網膜色素上皮裂孔の1例

著者: 福永崇樹1 佐宗幹夫1 佐野徹2 渡辺聡3 伊藤良和1 宇治幸隆1

所属機関: 1三重大学医学部眼科学教室 2尾鷲総合病院眼科 3紀南病院眼科

ページ範囲:P.1585 - P.1589

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 55歳男性が2か月前からの両眼の視力低下で受診した。13年前に当科で多発性後極部網膜色素上皮症と診断されている。矯正視力は右0.8,左0.3であった。右眼の黄斑部耳側に網膜色素上皮裂孔があり,その下方に胞状の網膜剝離があった。網膜裂孔はなかった。左眼には多発性の網膜色素上皮剝離と滲出斑があった。蛍光眼底造影で右眼の網膜色素上皮裂孔部に過蛍光と色素漏出があり,これが網膜剝離の原因であると推定した。裂孔部と網膜剝離とが連絡しないように,左下側臥位での安静を続け,その4か月後に網膜剝離は消失した。網膜色素上皮裂孔に伴う漿液性網膜剝離が,必ずしも光凝固や手術によらずに自然寛解することを示す症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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