icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻9号

2004年09月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (7) 原著

利尻島における高頻度の屈折異常

著者: 高井佳子1 五十嵐羊羽1 佐藤慎2 島本恵美1 石子智士1 木ノ内玲子1 長南兼太郎2 野村秀樹3 下方浩史4 吉田晃敏1

所属機関: 1旭川医科大学眼科学教室 2釧路労災病院眼科 3国立療養所中部病院眼科 4国立長寿医療研究センター疫学研究部

ページ範囲:P.1673 - P.1677

文献購入ページに移動
 2002年10月,北海道利尻島で眼科検診を行い,約6,000人の住民のうち253人が受診した。男性90人,女性163人であり,40歳以上が230人(91%),平均年齢は64.4歳であった。右眼視力は,1.0以上が54%,0.5以下が22%であった。疾患は,白内障51.7%,緑内障6.9%,糖尿病網膜症4.4%,網脈絡膜萎縮4.0%,後部ぶどう腫2.8%などであった。無水晶体眼と偽水晶体眼を除く223人の右眼の屈折は,等価球面値としての平均が-0.3±3.1Dであった。40歳以上では,4.5%に-6D以上の近視があり,48.8%に+0.5D以上の遠視があった。40歳以上204人の眼圧は,平均13.5±2.9mmHgであった。日本での先行報告と比較し,利尻島での強度近視と遠視の頻度が有意に高く,糖尿病網膜症と緑内障の頻度は同程度であった。網脈絡膜萎縮と後部ぶどう腫の頻度が高く,強度近視との関連が推測された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?