文献詳細
特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (7)
原著
文献概要
特発性脈絡膜新生血管黄斑症14例14眼の自然経過を観察し,最終視力に影響する要因を検索した。新生血管が中心窩または傍中心窩にあり,視力が0.4以上の男性4例,女性10例である。年齢は23~48歳,平均31歳で,屈折は -0.5Dから -6.0D,平均-4.3Dである。12か月から37か月,平均26か月の経過観察で,最終視力は初診時と比較して,1眼で改善,9眼で不変,4眼で悪化し,11眼では0.4以上,7眼では1.0以上であった。10眼では,初診から平均13か月後に出血と滲出が消退した。4眼では出血と滲出が消失せず,うち3眼では増悪した。最終視力は,初診時視力,新生血管の位置,大きさ,活動性,年齢のいずれとも無関係であった。しかし,35歳以上の3眼では,35歳未満の11眼よりも有意に最終視力が不良であり(p=0.043),最終視力が初診時よりも悪化した4眼中3眼は35歳以上であった。以上の結果は治療の立案の参考になる。
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