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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻9号

2004年09月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (7) 原著

半層角膜弁つき遊離結膜弁移植による損傷した濾過胞の再建術

著者: 森秀夫1 林央子2

所属機関: 1大阪市立総合医療センター眼科 2大阪市立大学大学院医学研究科眼科

ページ範囲:P.1695 - P.1698

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 損傷した濾過胞を再建するために,半層角膜弁つき遊離結膜弁移植を考案し,2例に実施した。1例は48歳女性で,17歳で両眼に緑内障手術を受け,右眼が失明した。36歳で左眼に再手術を受けた。今回左眼を擦り,濾過胞が損傷した。結膜縫合,有茎結膜被覆は無効であった。濾過胞を切除し,右眼の結膜弁で再建したが,輪部への縫着は困難で,縫合の追加と圧迫眼帯を要した。その2年半後に,打撲により再び濾過胞が損傷した。濾過胞を切除し,輪部に接する角膜を半層切除し,右眼から半層角膜弁つき結膜弁を移植した。縫着は容易で,良好な結果を得た。他の1例は66歳女性で,他医で白内障と緑内障の同時手術を受け,濾過胞が損傷した。結膜縫合と移植は無効であった。当科で本法を実施し,良好な結果を得た。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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