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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻9号

2004年09月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (7) 原著

左右眼で対照的な経過をたどった視神経乳頭炎の1例

著者: 本田茂1 戸田裕隆1 斎藤伊三雄1

所属機関: 1田附興風会医学研究所北野病院眼科

ページ範囲:P.1739 - P.1742

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 33歳女性が4日前に発見された左眼の視神経乳頭腫脹で紹介され受診した。1か月前から左眼に球後痛があった。矯正視力は左右眼とも1.0であった。3日後には左眼視力が0.02に低下し,ラケット状暗点が生じていた。メチルプレドニゾロン1,000mg点滴を3日間続けるパルス療法を2回行ったが効果がなく,1年後に視力が0.01になり,視神経萎縮が生じた。左眼発症から約1年後に右眼に球後痛が生じた。右眼視力は1.0であった。2週間後に乳頭腫脹が生じ,視力は不変であった。前回と同様のパルス療法で球後痛は軽快し,乳頭腫脹が軽減した。以後数回の再発があったが,そのつどパルス療法を行い,軽快した。若年に発症し,多発性硬化症を伴わない両眼性の視神経乳頭炎が,左右眼でまったく異なる経過をとった1例である。パルス療法を早期に開始したことが,左右眼の経過の違いになった可能性がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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