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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻9号

2004年09月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (7) 原著

網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫に対する炭酸脱水酵素阻害薬治療

著者: 桐山直子1 喜多美穂里1 中西秀雄1 川越直顕1 有澤章子1 池口有紀1 小岸淳一1 河本知栄1 松本美保1

所属機関: 1大津赤十字病院眼科

ページ範囲:P.1759 - P.1762

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 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫50眼に対して,炭酸脱水酵素阻害薬を経口投与した。網膜静脈分枝閉塞症38眼,網膜中心静脈閉塞症12眼であり,年齢は63.1±10.7歳,黄斑浮腫の推定持続期間は9.0±13.7か月であった。原則として,アセタゾラミドを1日量500mgとして4週間継続投与し,以後漸減した。治療前0.25±0.32の視力は,投薬2週後で0.31±0.39と有意に改善し(p=0.04),投薬2か月後に0.38±0.33の最高視力に達した。2段階以上の視力改善率は46%であり,平均して投薬開始から1.1か月後に最高値に達した。光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)で観察した黄斑浮腫は,84%で軽減した。投薬中止または減量に伴い,30%で視力が悪化した。炭酸脱水酵素阻害薬の経口投与で,網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫が約半数で改善したと結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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