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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻9号

2004年09月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (7) 原著

家族性ドルーゼンの1例

著者: 川崎ゆたか1 川崎勉1 小尾明子1 森田保彦1 鈴木浩太郎1

所属機関: 1出田眼科病院

ページ範囲:P.1807 - P.1811

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 38歳女性が3か月前からの右眼のかすみを主訴として受診した。右眼に-5.25D,左眼に-4.5Dの近視があり,矯正視力は右1.5,左1.2であった。両眼の黄斑部から乳頭周囲と鼻側網膜にかけて,境界が明瞭な大小不同の黄白色の斑状病巣が多発していた。右眼の黄斑部耳下側に網膜下出血があった。フルオレセインとインドシアニングリーンによる蛍光眼底造影で,出血の部位に新生血管は検出されなかった。光干渉断層計(optical coherence tomography:以下,OCT)では,網膜色素上皮層のドーム状の隆起と,その後方に無反射の空間が多発していた。これらは,加齢性のドルーゼンについて知られているOCT所見と同様であった。通常のドルーゼンが母親の両眼にあった。以上より,この症例を家族性ドルーゼンと診断した。網膜下出血が30歳代に発症したことが異例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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