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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻9号

2004年09月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (7) 原著

隅角搔爬術の40か月の術後経過

著者: 大八木良美1 塚原陽子2 栗本康夫3 近藤武久3 植田良樹1

所属機関: 1市立長浜病院眼科 2神戸西市民病院眼科 3神戸中央市民病院眼科

ページ範囲:P.1813 - P.1816

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 緑内障13眼に対して,初回手術としての隅角搔爬術(goniocurettage)を白内障手術・眼内レンズ挿入術と同時に行った。内訳は原発開放隅角緑内障7眼,正常眼圧緑内障1眼,落屑緑内障5眼である。術前6か月間の平均眼圧は23.0±3.8mmHg,点眼薬の数は2.6±1.0であった。術後40か月の時点で,隅角搔爬術は12眼(92%)に奏効していた。平均眼圧は16.6±2.8mmHg,点眼薬の数は平均0.9±0.7で,眼圧は有意に下降していた(p<0.01)。以上より,ぶどう膜と強膜を経由する房水流出路を増加させると考えられている隅角搔爬術には,ある程度の眼圧下降効果があると判断される。隅角搔爬術は白内障手術に併用でき,結膜瘢痕を残さない。しかし点眼による治療を併用しても,術後の眼圧水準が16mmHg前後であることを,術式を選択するときに考慮する必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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