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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻9号

2004年09月発行

臨床報告

増殖硝子体網膜症術後の白内障手術後に前囊収縮をきたした1例

著者: 泉直宏1 引地泰一1 花田一臣1 横田陽匡1 吉田晃敏1

所属機関: 1旭川医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1843 - P.1846

文献概要

 28歳男性が視力障害で受診した。幼少時から精神発達遅滞があり,目を叩くなどの自傷行為を繰り返していた。両眼に増殖硝子体網膜症があり,それぞれに輪状締結術,硝子体手術,シリコーンオイル注入術が行われた。術後の経過は順調であったが右眼の白内障が進行し,初診から6か月後に超音波乳化吸引術,眼内レンズ挿入術,シリコーンオイル抜去術を行った。使用した眼内レンズはソフトアクリル製であった。前囊の収縮が進行し瞳孔領を完全に覆ったので,6か月後に前囊を切除した。その組織学的所見として,線維芽様細胞と膠原線維の増殖があった。自傷行為,増殖硝子体網膜症,シリコーンオイル注入などが複合的に前囊収縮の原因になったと推定した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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