icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻1号

2005年01月発行

連載 あのころ あのとき48

研鑽の時(1)

著者: 山本節12

所属機関: 1神戸大学 2兵庫県立こども病院

ページ範囲:P.26 - P.28

文献概要

卒後研修

 卒後臨床研修が開始され,問題もあるようですが,しっかりした医師が養成されれば喜ばしいことです。私が大学を卒業した1960年頃は,全員1年間の医師研修のインターンがありました。しかし,その頃はいまと違って何の身分保障もない無給の研修でした。卒業生の大部分の者は大学に残りましたが,私は大学と違った施設で研修したいと考え,大阪の北野病院を選びました。インターン生はいろいろな大学から20数名来ていて,お互い和気あいあいと研修を受け,楽しかった1年間の想い出があります。

 各科ローテイトの研修で,それぞれの科にはいろいろな先生がおられましたが,指導医の先生はお忙しいなかインターンの私たちによく指導してくださり,種々の検査や手術までやらせていただいたことは医師としての大きな財産になっています。例えば,外科では指導医のもとでappendicitisの手術をさせていただきましたし,小児科では赤ちゃんのルンバールをさせていただき,一発で出血もせずリコールの検査ができ,先生から上手に誉められ,大した手技でなくても本人にとっては大きな自信になりました。内科では前もって内科雑誌で勉強しておいて,地域の研究会に出て,生意気にも質問したりしていました。肝腎の眼科は2週間と短く,白内障の手術などを見学しましたが,手術顕微鏡もビデオもない時代ですから,細かい手技は十分理解できずに終わりました。外の病院での研修で,大学は大学としてのよさがあり,一般病院は病院としてのよさがみえただけでも収穫であったと思っています。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら