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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻1号

2005年01月発行

文献概要

臨床報告

日本人下眼瞼の組織所見

著者: 井出醇1 山崎太三1 金井英貴1 三戸秀哲1 青島周明2 白澤信行3

所属機関: 1井出眼科病院 2青島眼科 3山形大学医学部情報構造統御学講座形態構造医学分野

ページ範囲:P.89 - P.94

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目的:眼窩前半部を含む日本人の下眼瞼組織の検討。対象:4屍体の8下眼瞼。男性3人と女性1人,年齢は64~90歳。所見:眼窩隔膜はまず前方に向かい,次いで眼輪筋の後面に沿って下眼瞼縁へと上行する。上眼瞼と異なり,両者間に線維脂肪組織はない。眼輪筋前瞼板部と前隔膜部の間を通り真皮に向かう囊眼瞼筋膜があるが,下眼瞼溝の形成はない。眼輪筋の前瞼板部と瞼板間に囊眼瞼筋膜はない。眼窩隔膜は途中で囊眼瞼筋膜と合流し,瞼板には付かない。全症例で下円蓋部下内方の膠原線維の大きな集塊内にMuller筋の小片が散在する。さらに2例でこの集塊と瞼板下縁との間に平滑筋の小片が散在する。結論:眼窩隔膜と眼輪筋との間には線維脂肪組織は存在せず,明確な下眼瞼溝もない。下眼瞼のMuller筋の形態は上眼瞼とは異なり,瞼板下縁に達していない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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