文献詳細
文献概要
連載 他科との連携
細菌検査室との連携
著者: 鈴木崇1
所属機関: 1愛媛大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.100 - P.101
文献購入ページに移動私も研修医のとき,とりあえず検体にラベルを張って提出するだけで,すべての菌が検査でき,培養検査で検出された菌は全て起炎菌だと信じていた。また,感染性角膜潰瘍の患者さんを担当し,オーベンの先生に角膜病巣部の塗抹標本鏡検をみせて頂いても,どれが菌でどれが炎症細胞なのかしっかりと理解することができなかった。しかし,感染性角膜潰瘍や眼内炎などの症例を経験する機会が増え,そのなかで起炎菌がなかなか検出できず,治療に苦慮する症例に遭遇するに伴って「どうして菌が検出されないのだろう?」と日々感じることが多くなった。そのなかで「菌の検出率を上げるためにはどのようなことをしたらよいのだろうか?」とか「塗抹標本を正確に鏡検できたら診断率も上がるのではないか?」などと考えるようになり,培養や塗抹標本などの基本的な知識を身につけたいという願望が強くなった。そこで教授に相談したところ,「大阪大学の感染症対策部の浅利先生に指導してもらうとよい」といわれ,大阪大学医学部附属病院の臨床検査室において約2週間研修をさせていただいた。
掲載誌情報