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眼科領域において遺伝性網膜変性の代表疾患である網膜色素変性と,眼圧依存および非依存因子により発症する緑内障は,臨床的にも病態生理学的にもまったく異なる疾患として扱われてきた。しかし最近の多くの病態研究によれば,網膜色素変性および緑内障はそれぞれの標的細胞である網膜視細胞および網膜神経節細胞がアポトーシスという共通の病的メカニズムで死滅することが明らかになり,両疾患に共通点のあることがわかってきた。したがって網膜神経細胞のアポトーシスを抑制することは,両疾患に対する新たな治療法になりうる可能性を秘めている。
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