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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻10号

2005年10月発行

文献概要

連載 眼の遺伝病74

PRPF31 遺伝子異常とは?

著者: 佐藤肇1 和田裕子1

所属機関: 1東北大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1658 - P.1660

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PRPF31 遺伝子

 PRPF31 遺伝子は,19番染色体長腕(19q13.4)に位置し,14エキソンから構成されており499個のアミノ酸をコードしている。S. cerevisiaeのpre-mRNAスプライシング遺伝子であるPRP31と相同性が高い。2001年にこのPRPF31遺伝子が常染色体優性網膜色素変性家系(RP11)の原因遺伝子であることが証明された1)。網膜のほか脳,心臓,筋,血液など広範な組織で発現している。

 遺伝子のコード配列(エキソン)は非コード配列(イントロン)によって分断されている。転写産物(pre-mRNA)中のイントロンは,転写後ただちに数種のsnRNP(small nuclear ribonucleoprotein)が関与するスプライシングという過程で除去される。snRNPの大きな複合体をspliceosomeというが,PRPF31蛋白はこのspliceosomeを構成するU4/U6 snRNPとU5 snRNPをつなぎ合わせる役割をしている2,3)(図1)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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