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連載 日常みる角膜疾患31
糖尿病角膜症
著者: 近本信彦1 近間泰一郎1 西田輝夫1
所属機関: 1山口大学医学部分子感知医科学講座(眼科学)
ページ範囲:P.1662 - P.1665
文献購入ページに移動患者:65歳,女性
主訴:右眼の霧視感
現病歴:2003年4月初旬,右眼霧視感を自覚し近医を受診した。網膜裂孔に伴う硝子体出血を指摘され原因裂孔に対し網膜光凝固を施行した。その後,再度硝子体出血をきたし吸収されないため,5月30日,当科を紹介され受診した。
既往歴:約30年前より糖尿病,インスリン療法中。
家族歴:特記すべきことなし。
初診時所見:視力は右眼前手動弁(矯正不能),左0.8(1.0)で,眼圧は右14mmHg,左16mmHg(NCT)であった。両眼の上下眼瞼とも睫毛乱生やマイボーム腺機能不全はみられなかった。両眼とも角膜は透明で上皮障害はなかった。シルマーテスト第Ⅰ法で右2mm,左7mm,角膜知覚検査では右20mm,左25mm(Cochet-Bonnet知覚計)であり,両眼において涙液減少症と角膜知覚低下を認めた。中間透光体には加齢性白内障(Emery-Little分類,grade 3)がみられた。右眼眼底は硝子体出血のため透見不良であったが,超音波検査において網膜剝離を認めた。左眼は糖尿病網膜症を認めなかった。
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