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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻10号

2005年10月発行

文献概要

特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (8) 学会原著

視神経鞘髄膜腫の1例

著者: 山内紀子1 かせ谷鉄志1 居軒賢二1 大石なみき1 久保江理1 都筑昌哉1 赤木好男1 有島秀孝2 半田祐二2 久保田紀彦2

所属機関: 1福井大学医学部眼科学教室 2福井大学医学部脳神経外科学教室

ページ範囲:P.1701 - P.1704

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目的:視神経鞘髄膜腫1例の報告。症例:53歳女性が10年前に始まった左眼視力障害で受診した。所見と経過:矯正視力は右1.2,左0であり,左眼の直接対光反応が消失していた。眼球突出度は右14mm,左20mmであった。左眼に上転と内転障害,眼底に網膜のびまん性浮腫,乳頭浮腫,網膜血管の蛇行があった。CT検査で左眼窩内に直径25mmの腫瘍像があり,磁気共鳴画像検査(MRI)では,T1強調画像で腫瘍は視神経と等信号,T2強調画像で灰白質と同程度のやや高信号があり,内部に点状の低信号領域があった。造影MRIで腫瘍は均一に増強された。摘出した眼窩内腫瘍の病理診断は視神経鞘髄膜腫であった。術後の視力回復は得られなかったが眼球運動が改善した。結論:視神経鞘髄膜腫では早期発見と治療が望ましい。本症例では残存腫瘍の再発を警戒する必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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