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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻10号

2005年10月発行

文献概要

特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (8) 学会原著

フタラール消毒薬(ディスオーパ(R))による白内障手術後の水疱性角膜症

著者: 幸野敬子1 土坂寿行2 前田利根3 小原沢英彰4 堀純子4

所属機関: 1幸野メディカルクリニック 2土坂眼科医院 3オリンピア眼科病院 4日本医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1705 - P.1709

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フタラール0.55%溶液で手術器具の消毒を行い,2日間に7例8眼に対し超音波乳化吸引術と眼内レンズ挿入術による白内障手術を行った。全例に角膜内皮障害が生じた。4眼では術翌日に著しい角膜浮腫があり,約3週後に角膜裏面の色素沈着,虹彩萎縮,ぶどう膜外反などの虹彩壊死が生じた。2眼は水疱性角膜症になり,6眼では最終的に角膜が透明化したが,角膜内皮細胞密度が術前よりも12~57%,平均35.3%減少した。これらの角膜障害は,白内障手術器具に残留したフタラールが眼内灌流液中に溶出した結果と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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