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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻10号

2005年10月発行

文献概要

特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (8) 学会原著

特異な経過をたどった強膜化角膜の1例

著者: 立脇祐子1 齋藤総一郎2 渡邊浩子2 植木麻理1 清水一弘1 菅澤淳1 池田恒彦1

所属機関: 1大阪医科大学眼科学教室 2高槻病院眼科

ページ範囲:P.1719 - P.1723

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目的:緑内障と網膜剝離が併発した両眼の強膜化角膜の1症例の報告。症例と経過:在胎39週,3,110gで正常分娩をした男児。出生直後に両眼の眼球突出と角膜混濁があり,角膜への血管侵入と混濁が強く,球結膜との境界が不明瞭で,虹彩など眼内部が透見不能であり。触診で高眼圧であった。CT検査で前房が深かった。全身的に格別の異常はなかった。生後5日目の超音波検査で,両眼に網膜全剝離を認め,緑内障手術,角膜移植,硝子体手術などで視機能改善が期待できないと判断した。以後,眼圧変動に伴い,眼球は拡大と縮小を繰り返し,6か月後に左眼,1年後に右眼が眼球癆になった。結論:出生直後から強膜化角膜があり,これに併発した網膜剝離と高眼圧が病状を修飾した症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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