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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻10号

2005年10月発行

文献概要

特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (8) 学会原著

網膜静脈閉塞症に対するt-PA硝子体腔投与後の術後早期の中心窩網膜厚変化

著者: 小暮俊介1 大越貴志子1 小暮朗子1 山口達夫1

所属機関: 1聖路加国際病院眼科

ページ範囲:P.1735 - P.1741

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網膜静脈閉塞症に伴う囊胞様黄斑浮腫10眼に対し,組織プラスミノゲン活性化因子(t-PA)4万単位を硝子体腔に投与した。内訳は網膜静脈分枝閉塞症6眼と網膜中心静脈閉塞症4眼である。推定発症から投与までの期間は1~13か月(平均3.3か月)であり,観察期間は3~8か月(平均5.4か月)であった。logMAR視力の平均は,術前1.12,1日後1.08,2日後0.94,10日後0.84,1か月後0.83であり,10日後以降は有意に改善していた(p<0.01)。6眼(60%)で術後1か月のlogMAR視力が0.2以上改善し,その内訳は網膜中心静脈閉塞症2眼(50%),網膜静脈分枝閉塞症4眼(67%)であった。中心窩網膜厚の平均値は術前743μm,1日後612μm,2日後466μm,10日後323μm,1か月後342μmであり,2日後以降は有意に減少していた(p<0.01)。観察期間中に合併症はなかった。網膜静脈閉塞症に伴う囊胞様黄斑浮腫に対し,t-PAの硝子体腔投与は有効な治療法と思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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