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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻10号

2005年10月発行

文献概要

特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (8) 学会原著

ミトコンドリアDNA3460変異がみられたレーベル遺伝性視神経症の1例

著者: 高橋知美1 三橋玉絵1 神尾聡美1 高村浩1 山下英俊1 若倉雅登2

所属機関: 1山形大学医学部情報構造統御学講座視覚病態学分野 2井上眼科病院

ページ範囲:P.1759 - P.1763

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13歳男児が2か月前からの急激な視力低下で受診した。矯正視力は右0.03,左0.02であった。両眼の前眼部,中間透光体,眼底に異常所見はなく,蛍光眼底造影でも病的所見はなかった。ゴールドマン視野検査で両眼に中心暗点が検出された。磁気共鳴画像検査(MRI)で両眼の球後視神経炎が疑われ,ステロイドパルス療法を行った。視力は左右とも0.5に改善したが,視野には変化がなかった。その後の遺伝子検査でミトコンドリアDNA3460変異が検出され,レーベル遺伝性視神経症の診断が確定した。日本人の本疾患では,大多数が11778変異であるとされている。本症例が3460変異であったことが,不完全ながら視力の回復が得られた理由であると推定される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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