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特集 眼科における最新医工学 I.診断機器への応用
涙液安定性解析装置―TSAS
著者: 山口昌彦1 大橋裕一1
所属機関: 1愛媛大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.84 - P.88
文献購入ページに移動はじめに
現代におけるドライアイ罹患者は,間歇的な症状を訴える軽症例も含めると1,000万人を超えるといわれている。したがって,現代の眼科医がドライアイを的確に診断することは,日常臨床の必須項目であるといえる。ドライアイの診断方法としては,100年来廃れることのないシルマーテスト,そして綿糸法,フルオレセイン染色によるBUT(tear break up time)の測定,さらには,涙液メニスカスの観察や涙液スペキュラーによる涙液油層1)の観察などがあるが,侵襲性,客観性,利便性の問題においてそれぞれ一長一短である。
なかでも,フルオレセインBUTの測定は,スリットランプ下で行うことができる非常に簡便な涙液安定性の評価法である。しかし,フルオレセインBUTは,フルオレセイン水溶液を点眼するという侵襲によって,本来の涙液の状態が修飾される可能性があり,また時間測定時にかなり主観的な要素が入りこみやすいのが欠点である。
このような背景から,筆者らは,より非侵襲的で客観的な涙液安定性の評価法について模索した。そこで目にとまったのが,角膜形状解析装置TMS(Topographic Modeling System:(株)トーメー)である。
現代におけるドライアイ罹患者は,間歇的な症状を訴える軽症例も含めると1,000万人を超えるといわれている。したがって,現代の眼科医がドライアイを的確に診断することは,日常臨床の必須項目であるといえる。ドライアイの診断方法としては,100年来廃れることのないシルマーテスト,そして綿糸法,フルオレセイン染色によるBUT(tear break up time)の測定,さらには,涙液メニスカスの観察や涙液スペキュラーによる涙液油層1)の観察などがあるが,侵襲性,客観性,利便性の問題においてそれぞれ一長一短である。
なかでも,フルオレセインBUTの測定は,スリットランプ下で行うことができる非常に簡便な涙液安定性の評価法である。しかし,フルオレセインBUTは,フルオレセイン水溶液を点眼するという侵襲によって,本来の涙液の状態が修飾される可能性があり,また時間測定時にかなり主観的な要素が入りこみやすいのが欠点である。
このような背景から,筆者らは,より非侵襲的で客観的な涙液安定性の評価法について模索した。そこで目にとまったのが,角膜形状解析装置TMS(Topographic Modeling System:(株)トーメー)である。
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