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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻12号

2005年11月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

全身のリンパ節腫脹と高ガンマグロブリン血症を呈した眼窩MALTリンパ腫の1例

著者: 向野るり子1 吉川洋1 向野利一郎1 石田貴美子1 村田敏規1 川野庸一1 石橋達朗1 加留部謙之輔1 下田和哉2

所属機関: 1九州大学医学部眼科学講座 2九州大学医学部第一内科

ページ範囲:P.1855 - P.1860

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59歳男性が両眼の視力低下で受診した。23年前に両側の眼窩リンパ過形成と診断され,副腎皮質ステロイド薬の投与を受けた。16年前に左眼窩に放射線照射を受けた。4年前に右眼窩腫瘍の生検で,眼窩粘膜関連リンパ組織(mucosa-associated lymphoid tissue:MALT)リンパ腫と診断された。右眼窩に放射線照射と,cyclophosphamide,doxorubicin,vincristine,prednisolone(CHOP)療法が行われた。矯正視力は右眼0.1,左眼0.5であった。両眼窩腫瘍の増大,全身リンパ節腫脹,胃腫瘍が発見され,生検で胃腫瘍はMALTリンパ腫と診断された。頸部リンパ節生検で,リンパ球のクローナリティは検出されなかった。血清のIgG値が基準範囲の上限の6倍に増加していた。化学療法を行い,腫瘍は部分寛解し免疫グロブリン値が低下した。本症例のMALTリンパ腫は眼窩原発と推定された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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