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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻12号

2005年11月発行

文献概要

臨床報告

視神経症を伴った眼窩筋炎の3例

著者: 高橋知里1 福永崇樹2 土井素明2 山川湖2 福喜多光志2 井田広重1 藤岡千重子1 宇治幸隆2

所属機関: 1市立四日市病院眼科 2三重大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1869 - P.1874

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視神経症を合併した眼窩筋炎の3例を経験した。60歳男性,61歳女性,64歳女性で,いずれも片眼性であり,視力低下,色視症,眼痛が初発症状であった。初診時の罹患眼の視力は,0.8,0.3,光覚弁であった。磁気共鳴画像検査(MRI)などで,複数の外眼筋の肥厚が全例にあった。自己免疫抗体を含む諸検査から甲状腺眼症は否定され,眼窩筋炎と診断した。ステロイドパルス療法後にステロイドを漸減し,2例で症状が著明に改善した。最終視力はそれぞれ1.5,1.2,光覚弁であった。視神経症の原因として,眼窩内の炎症が視神経に波及したこと,肥厚した外眼筋による圧迫などが考えられた。眼窩筋炎では視神経症の合併に留意し,視神経症では眼窩筋炎の可能性を疑う必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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