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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻12号

2005年11月発行

文献概要

臨床報告

統合失調症の自傷行為による強膜裂傷および鋸状縁断裂網膜剝離に対する硝子体手術

著者: 高谷香1 鈴木幸彦1 吉岡由貴1 中澤満1

所属機関: 1弘前大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1877 - P.1880

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統合失調症の22歳男性が,妄想体験に伴い発作的に自ら眼球摘出を試みた。矯正視力は右眼光覚弁,左眼1.2であり,右眼の眼圧は低眼圧で測定不能であり,右眼に強い前房出血があった。眼窩CTで右眼球が虚脱し,強膜裂傷が推定された。硝子体手術で鋸状縁断裂による網膜剝離が広範囲にあり,冷凍凝固,輪状締結,20% SF6ガスを併用した。網膜は復位し,1.0の矯正視力を得た。以後の5年間,自傷行為はない。統合失調症患者が発作的に眼球摘出を試みたが,自傷行為の反復がなく,積極的な手術治療で視力が維持できた例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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