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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻12号

2005年11月発行

文献概要

臨床報告

くも膜下出血に伴う網膜出血および硝子体出血(Terson症候群)

著者: 井上賢治12 奥川加寿子23 後藤恵一23 松澤和人4 橘高衛4 加藤聡2

所属機関: 1井上眼科病院 2東京大学大学院医学系研究科眼科学 3名戸ヶ谷病院眼科 4名戸ヶ谷病院脳神経外科

ページ範囲:P.1889 - P.1893

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過去33か月間にくも膜下出血の患者58例が某病院に入院した。男性23例,女性35例であり,年齢は36~89歳,平均62歳であった。入院直後に眼科医が網膜出血と硝子体出血の有無を検索した。網膜出血は116眼中27眼(23%),硝子体出血は8眼(7%)にあり,81眼(70%)には出血がなかった。症例数では網膜出血のみが14例(24%),硝子体出血のみが6例(10%)にあり,38例(66%)には出血がなかった。世界脳神経外科学会(WFNS)によるくも膜下出血の重症度分類では,眼内出血がある20例は出血がない38例よりも有意に高い重症度を示した(p=0.003)。頭部CT所見と眼内出血の有無には有意差がなかった(p=0.11)。くも膜下出血の転帰は,眼内出血がある症例では出血がない症例よりも有意に不良であった(p=0.004)。眼内出血は,くも膜下出血による意識障害や運動麻痺が高度で経過が不良な症例に好発する傾向があった。くも膜下出血に併発する硝子体出血(Terson症候群)の頻度は10%であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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