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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻12号

2005年11月発行

文献概要

臨床報告

黄斑下病変によって視力予後が不良であったmultiple evanescent white dot syndromeの1症例

著者: 向井田泰子1 町田繁樹1 藤原貴光1 田澤豊1 小林正樹2 小野寺毅2

所属機関: 1岩手医科大学眼科学教室 2八戸赤十字病院眼科

ページ範囲:P.1895 - P.1898

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29歳男性が1週間前からの右眼中心暗点と視力低下で受診した。矯正視力は右眼0.01,左眼1.2であり,右眼後極部の網膜深層に白斑が多発していた。黄斑に斑状病変があり,その周囲に漿液性網膜剝離があった。フルオレセイン蛍光造影で白斑に相当する部位が過蛍光を呈した。黄斑下病変は早期から過蛍光であり,後期では色素漏出があった。これらの所見から黄斑下病変を伴う多発一過性白点症候群(multiple evanescent white dot syndrome:MEWDS)と診断した。1か月後に白斑は消失し,黄斑下病変が瘢痕化したが視力には変化がなかった。発症早期からあった黄斑下病変が萎縮化し,非可逆的な視力障害の原因になったと解釈される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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