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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻2号

2005年02月発行

文献概要

臨床報告

緑内障と網膜色素変性のために見過ごされていた鞍結節髄膜腫の1例

著者: 中村竜大1 春田雅俊1 宮本和明1 黒川歳雄1 高橋政代2 柏井聡13

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科感覚運動系外科学眼科学 2京都大学医学部附属病院探索医療センター 3大阪赤十字病院眼科

ページ範囲:P.205 - P.208

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53歳男性が11年前に他医で両眼の原発開放隅角緑内障と診断された。加療で眼圧はコントロールされたが,視野狭窄が進行した。網膜眼図の異常から網膜色素変性と診断された。2年前から左眼の視野狭窄と視力低下が加速化して受診した。矯正視力は右1.2,左0.2であり,両眼に典型的な網膜色素変性の所見があった。左眼の視神経乳頭の蒼白化が顕著で,相対的入力瞳孔反射異常が陽性であった。両眼に輪状暗点と,左眼に中心暗点があった。左の視神経病変を強く疑い,磁気共鳴画像検査(MRI)で左視神経を圧迫する鞍結節髄膜腫が発見された。すでにある眼病変では説明できない視力低下や視野障害があるときには,神経眼科的な検査法を含めた広い観点から検索する必要があることを本症例は示している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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