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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻3号

2005年03月発行

文献概要

特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (1) 学会原著

トラベクレクトミー後に瞳孔閉鎖を生じた2例

著者: 竹中丈二1 塚本秀利1 向井聖1 金本尚志1 平山倫子1 曽根隆志1 松山茂生1 三嶋弘1

所属機関: 1広島大学大学院医歯薬学総合研究科視覚病態学

ページ範囲:P.295 - P.298

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線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)後に瞳孔閉鎖が生じた2例2眼を経験した。いずれも女性で,62歳と66歳であった。第1例は急性閉塞隅角緑内障で3年前に線維柱帯切除術が行われた。3か月前からの視力低下で紹介され受診した。右眼矯正視力は0.03で,瞳孔膜とその前方に色素が沈着していた。瞳孔形成術で視力は0.6に回復した。第2例は開放隅角緑内障で左眼への線維柱帯切除術が15年前に行われた。瞳孔膜とその前方に沈着下色素のために,左眼視力が0.08に低下した。瞳孔形成術で視力は0.1に回復した。線維柱帯切除術の既往とピロカルピン点眼が膜様物質を生じる共通した危険因子であると推測した。線維柱帯切除術が行われた眼にピロカルピン点眼を使用する際には瞳孔閉鎖に留意する必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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