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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻3号

2005年03月発行

臨床報告

眼圧上昇をきたしたtubulointerstitial nephritis and uveitis症候群の1例

著者: 村瀬寛紀1 望月清文1 堀由起子1 山田信二2 澤田明3

所属機関: 1JA岐阜厚生連中濃病院眼科 2JA岐阜厚生連中濃病院小児科 3岐阜大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.353 - P.357

文献概要

15歳男子が1週間前からの右眼結膜充血と眼痛で受診した。矯正視力は左右とも1.0で,眼圧も正常であった。両眼に毛様充血があり,前房に炎症細胞があった。右眼視神経乳頭の縁が不明瞭で,両眼の網膜静脈が拡張していた。尿のN-アセチルグルコサミニダーゼ,αおよびβミクログロブリンの上昇があり,ぶどう膜炎を伴う間質性腎炎(TINU)症候群と診断した。プレドニゾロンの内服とベタメタゾンの点眼で病状が軽快し,7か月後に内服を中止した。その4か月後から抗緑内障薬に抵抗する眼圧上昇が生じた。虹彩炎はなかった。ベタメタゾンをフルオロメトロンに変更し,眼圧は下降した。その18か月後の現在,無投薬でふどう膜炎の再燃と眼圧上昇はない。ステロイド投与が眼圧上昇の主因であったと推定される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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