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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻4号

2005年04月発行

文献概要

特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (2) 学会原著

白内障手術後のCandida parapsilosisによる真菌性眼内炎の1例

著者: 尾崎秀1 野田和宏2 永富智浩3 藤田ひかる2 木村純子2 村田敏規4 石橋達朗4

所属機関: 1新日鐵八幡記念病院眼科 2九州厚生年金病院眼科 3下関中央病院眼科 4九州大学大学院医学研究院眼科学教室

ページ範囲:P.459 - P.462

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 目的:白内障手術1年後に発症した真菌性眼内炎の1例の報告。症例:79歳女性が両眼に白内障手術を受けた。その2か月後に左眼眼内炎と診断され抗生物質の投与を受けた。以後軽快と再燃を繰り返し,術後17か月に5度目の再燃があり紹介され受診した。所見:矯正視力は右0.9,左0.3。左眼に毛様充血があり,水晶体囊内に白色塊があり,硝子体混濁が併発していた。眼内レンズを摘出し,硝子体を切除し,抗生物質を加えた液で灌流した。術中の硝子体検体から真菌Candida parapsilosisが検出され,抗真菌薬を投与し硝子体混濁が急速に消退した。結論:抗生物質に抵抗を示す遅発性の術後眼内炎の原因として,弱毒細菌とともに真菌にも留意する必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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